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放課後等デイの急な欠席が続くとき|欠席時対応加算で補える範囲と稼働の見直し

放課後等デイサービスの急な欠席と欠席時対応加算のイメージ

「今日は熱が出たのでお休みします」。放課後等デイサービスや児童発達支援では、朝の電話でその日の予定が変わることが日常的に起こります。子どもの体調は読めないので、これ自体は避けられません。問題は、それが月にいくつも重なったとき、収入がどれだけ落ちるのかを事業所側が把握できていないことです。欠席時対応加算があるから大丈夫、と考えている事業所もありますが、実際にどこまで補えるのかを数字で見ておくと、打ち手の順番が変わります。

急な欠席が続くと、収入はどれだけ減るのか

障害児通所支援の報酬は、原則として利用実績で決まります。欠席が出た日は、その子の基本報酬が立ちません。ここを補う仕組みとして用意されているのが欠席時対応加算ですが、金額の規模を先に確認しておく必要があります。

欠席時対応加算は「1回につき94単位・月4回まで」

こども家庭庁が公表している令和8年度の障害福祉サービス費等の報酬算定構造では、児童発達支援・放課後等デイサービスの欠席時対応加算は1回につき94単位、月4回を限度と示されています。あわせて重症心身障害児を支援する場合に限り、定員充足率が80%未満のときは月8回を限度とする注記が付いています。

1単位あたりの単価は地域区分によって異なるため一律には言えませんが、仮に1単位10円で置いても1回あたり千円弱です。

ここで押さえておきたいのは、この「月4回」は事業所全体の上限ではなく、お子さん1人についての限度だという点です。こども家庭庁の報酬改定Q&A(VOL.5・令和6年6月6日)問4でも、欠席時対応加算を含む1月当たりの算定回数の上限について「事業所間で通算されず、事業所ごとに上限回数をカウントしてよいか」という問いに「お見込みのとおり」と示されています。したがって、1人あたりでは月に数千円という規模ですが、事業所全体では欠席が出たお子さんの人数だけ積み上がります。加算の点検を後回しにしてよい金額ではありません。

加算は「穴埋め」ではなく「対応した記録に対する評価」

ここが誤解されやすいところです。欠席時対応加算は、欠席によって失われた基本報酬を埋め合わせるためのものではありません。急に休むことになった子どもと家族に対して、事業所が連絡を取り、状況を確認し、次の利用につなげる相談援助を行ったことへの評価です。

したがって、欠席が月に10回、20回と積み上がる事業所では、加算をもれなく算定できていても収支の傾きは止まりません。加算の取りこぼしを防ぐことと、欠席そのものを減らすことは、別々に取り組む必要があると考えてください。

欠席時対応加算を取りこぼさないための条件

まずは、算定できるはずのものを落としていないかを確認します。こども家庭庁の「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(改正後全文)には、欠席時対応加算の取扱いが具体的に書かれています。なお同通知は、放課後等デイサービスの欠席時対応加算について、児童発達支援の項を準用するとしています。

連絡のタイミング

留意事項通知は、「加算の算定に当たっては、急病等によりその利用を中止した日の前々日、前日又は当日に中止の連絡があった場合について算定可能とする」としています。前々日より前に分かっていた欠席は、この加算の対象として想定されていません。

実務では、連絡を受けた日付が記録に残っていないために、後から算定の可否を判断できなくなることがあります。受付簿でも連絡帳でも構いませんが、「いつ連絡が入ったか」を漏れなく日付で残す運用にしておくと、請求時に迷いません。

「相談支援を行う」の中身と記録

同じ通知は、報酬告示にある「障害児又はその家族等との連絡調整その他の相談支援を行う」について、「電話等により当該障害児の状況を確認し、引き続き当該指定児童発達支援等の利用を促すなどの相談援助を行うとともに、当該相談援助の内容を記録することであり、直接の面会や自宅への訪問等を要しない」と説明しています。

訪問までは求められていない一方で、記録は要件に含まれています。「欠席の連絡を受けた」という事実だけを書いた記録では、相談援助を行ったことが読み取れません。状況をどう確認し、次の利用についてどう話したのかまで書き残しているか、いま一度確かめてみてください。運営指導で説明を求められたときに手元にあるのは、この記録だけです。

途中で帰宅して基本報酬が立たなかった日

見落とされやすいのが、来所したあとに体調を崩して急に帰宅したケースです。こども家庭庁の報酬改定Q&A(VOL.3・令和6年5月2日)問2は、延長支援の途中で利用者都合により帰宅し基本報酬を算定できない場合について、欠席時対応加算の算定を可能とするとしたうえで、この場合も障害児又はその家族等との連絡調整その他相談援助を行うとともに、当該障害児の状況、相談援助の内容等を記録することとしています。「休みの連絡があった日」だけを対象と考えていると、この日が抜け落ちます。

重症心身障害児を支援する事業所の例外

留意事項通知は、重症心身障害児を対象とする基本報酬の区分(通所報酬告示第1の1のハ)を算定している事業所について、1月につき利用した障害児の延べ人数が利用定員に営業日数を乗じた数の80%に満たない場合は、重症心身障害児に限り8回を限度として算定可能としています。定員が小さく、体調による欠席が起きやすい事業形態を想定した扱いです。該当しそうな事業所は、自事業所がこの要件に当てはまるかは、所管の窓口で確認しておくと安心です。

欠席を減らすために、どこを見るか

加算の話が片付いたら、次は欠席そのものです。体調不良はコントロールできませんが、欠席の記録を並べ替えると、体調以外の理由が見えてくることがあります。

だれが、いつ休んでいるか

欠席を月の合計で見ていると「今月は多かった」で終わってしまいます。子どもごと・曜日ごとに並べ替えると、特定の子が特定の曜日だけ続けて休んでいる、といった偏りが見つかることがあります。偏りがあるなら、それは体調の問題ではなく、送迎の時間や下校時刻、習い事、家族の勤務との噛み合わせが原因かもしれません。曜日で収支を分解する考え方は放課後等デイサービスの経営を立て直すでも触れています。

送迎と時間帯が合っているか

「行きたいけれど間に合わない」が続くと、やがて欠席が定着します。学校の下校時刻が変わる時期、きょうだいの予定、家族の送迎可否など、契約時の前提が変わっていないかを定期的に確認しているでしょうか。ここは支援内容ではなく段取りの問題なので、話を聞けば動かせることが少なくありません。

契約している日数と、実際の利用日数がずれていないか

受給者証で決まっている日数、事業所と交わした契約上の日数、実際に来ている日数。この3つがずれたまま放置されていると、稼働の見込みそのものが実態とかけ離れます。ずれていることに気づかず「今月も予定より少なかった」を繰り返している事業所は珍しくありません。まず現状の3つの数字を並べるところから始めてください。

数字を見てから、手を打つ順番を決める

先に加算、次に欠席、最後に新規

欠席が増えているとき、多くの事業所がまず考えるのは「新しい利用者を増やすこと」です。しかし、いま契約している子の欠席が続いている状態で定員だけ埋めても、同じことが起こります。順番としては、①算定できる加算を落としていないかを確認する、②欠席の偏りを子ども別・曜日別に見る、③契約日数と実利用日数のずれを直す、④そのうえで新規の受け入れを考える、という流れのほうが無理がありません。

数値は改定で変わります

なお、この記事で挙げた単位数や限度回数は令和8年度時点でこども家庭庁が公表している内容です。報酬に関する取扱いは改定で変わりますので、実際の請求にあたっては最新の告示・通知と、所管の行政窓口で必ず確認してください。

私たちEngoodは、自社で障害福祉施設を20年以上運営してきた立場から、こうした数字の並べ方と、そこから何を先に直すかの判断をご一緒しています。放課後等デイサービス・児童発達支援の立ち上げや収支計画については放課後等デイサービス・児童発達支援の開業・経営をお考えの事業者さまへにまとめています。支援の進め方はご支援の流れをご覧ください。初回のご相談は無料です。横浜・神奈川はもちろん、オンラインで全国の事業所さまからご相談をいただいています。

▶ 欠席以外の要素——学校休業日の受け入れ方、延長支援加算の要件、送迎の便数と範囲、減算の該当——まで含めて放課後等デイサービスの収支全体を立て直す支援は 放課後等デイサービスの収支・稼働率改善支援 をご覧ください。

▶ 生活介護など日中活動系で、欠席理由を「減らすべき欠席」と「尊重すべき欠席」に分けて分析する方法は 登録はあるのに稼働率が上がらない をご覧ください。

よくあるご質問

欠席時対応加算はいくらですか
こども家庭庁が公表している令和8年度の報酬算定構造では、児童発達支援・放課後等デイサービスの欠席時対応加算は1回につき94単位、月4回を限度とされています。この月4回は事業所全体の上限ではなく、お子さん1人についての限度です。あわせて、重症心身障害児を支援する場合に限り、定員充足率が80%未満のときは月8回を限度とする注記が付いています。1単位あたりの単価は地域区分によって異なります。報酬の取扱いは改定で変わりますので、実際の請求にあたっては最新の告示・通知と所管の行政窓口でご確認ください。
何日前までの連絡なら算定できますか
こども家庭庁の留意事項通知は「加算の算定に当たっては、急病等によりその利用を中止した日の前々日、前日又は当日に中止の連絡があった場合について算定可能とする」としています。前々日より前に分かっていた欠席は、この加算の対象として想定されていません。連絡を受けた日付が残っていないと後から算定の可否を判断できなくなるため、受付簿などに日付で記録しておくことをおすすめします。
欠席した家庭に訪問する必要はありますか
留意事項通知は、報酬告示にある「障害児又はその家族等との連絡調整その他の相談支援を行う」について、電話等により状況を確認し、引き続き利用を促すなどの相談援助を行うとともに、その内容を記録することであり、直接の面会や自宅への訪問等を要しないと説明しています。訪問までは求められていない一方で、記録は要件に含まれている点にご注意ください。
加算を算定できていれば、欠席が増えても収支は保てますか
欠席時対応加算は、欠席で失われた基本報酬を埋め合わせるためのものではなく、連絡・状況確認・相談援助を行ったことへの評価です。1人あたり月4回という限度もあるため、欠席が積み上がる事業所では加算だけで収支の傾きは止まりません。一方で、この上限は事業所間で通算されず事業所ごとに数えるとされており、欠席が出たお子さんの人数だけ積み上がりますので、取りこぼしの点検自体は先に済ませておく価値があります。加算の取りこぼしを防ぐことと、欠席そのものを減らすことは、別々に取り組む必要があります。
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