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強度行動障害の受け入れと重度障害者支援加算|研修と支援計画シートで整える体制

強度行動障害の受け入れと重度障害者支援加算 研修と支援計画シートで整える体制

強度行動障害のある方の受け入れを相談されたとき、「職員が対応できるか」と同じくらい迷うのが「加算の要件を満たせるか」ではないでしょうか。重度障害者支援加算は令和6年度の報酬改定で大きく見直され、基礎研修修了者の配置のみを評価する部分が廃止・見直され、支援計画シート等に基づく支援の評価が拡充されました。この記事では、生活介護・施設入所支援・短期入所・グループホームの経営者・管理者の方に向けて、加算の仕組みと、受け入れ前に整えておきたい体制を順番に整理します。

強度行動障害と「行動関連項目」の点数

加算の対象になるかどうかは、障害支援区分の認定調査にあわせて把握される「行動関連項目」の点数で判定します。コミュニケーション、説明の理解、大声・奇声、自傷、他害などの項目を0〜2点で評価するもので、厚生労働省の資料では「24点中10点」以上の人に手厚い支援が提供される仕組みと説明されています。

「10点以上」と「18点以上」の2段階

令和6年度改定では、従来の10点以上に加えて、行動関連項目の合計点が18点以上の方を受け入れ、中核的人材が作成する支援計画シート等により適切な支援を行った場合に、さらに加算する仕組みが設けられました。18点以上の方への支援では中核的人材の関与が求められ、より高い専門性が評価される仕組みです。

まず受給者証を確認する

厚生労働省のQ&Aでは、重度障害者支援加算の該当者であることと、行動関連項目18点以上の該当者であることは受給者証に記載されるべきものとされ、記載がない場合は必要に応じて市町村に確認をとるよう示されています。受け入れの相談を受けた段階で、区分と加算の該当(10点以上・18点以上)を受給者証で確認することが最初の一歩です(短期入所で障害児を受け入れる場合は、行動関連項目の10点・18点ではなく、障害児支援区分と障害児基準の点数(20点以上・30点以上)で判定されます)。

令和6年度改定で見直された重度障害者支援加算の仕組み

重度障害者支援加算は、サービスごとに対象者の区分や評価の組み立てが異なります。ここでは経営判断に関わる骨格だけを押さえます。単位数や細かな要件は報酬改定で変わるため、算定の前に最新の告示と指定権者の案内で必ず確認してください。

対象サービスと区分の見直し

  • 生活介護・施設入所支援:区分6以上かつ行動関連項目10点以上の報酬区分が新設されました。
  • 短期入所:区分4・5の報酬区分が新設され、実践研修修了者が作成した支援計画シート等による支援の評価が加わりました。
  • 共同生活援助(グループホーム):利用者の状態や環境の変化に適応するための、初期のアセスメント等の評価が新設されました。

研修の3段階と、それぞれの役割

加算の要件は、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修・実践研修)と中核的人材養成研修の段階ごとに「誰が何をするか」が分かれています。

  • 基礎研修:支援計画シート等に基づいて、日々の個別支援を行い、支援記録で経過を実践研修修了者に返す
  • 実践研修:支援計画シート等を作成し、原則週1回以上様子を観察して、3か月に1回程度見直す(生活介護・施設入所支援・グループホームの場合)
  • 中核的人材養成研修:18点以上の方の支援計画シート等を作成する(または作成する実践研修修了者を助言・指導する)。原則週1回以上様子を観察し、見直しを助言・指導する

Q&Aでは、行動援護従業者養成研修の修了者も実践研修と同等に扱われることや、中核的人材は常勤専従が望ましいものの、確保が難しい場合は他事業所との兼務や非常勤でも差し支えないことが示されています。なお、中核的人材養成研修は令和9年3月31日までの間、のぞみの園が設置する施設が行う研修その他これに準ずるものとして厚生労働大臣が認める研修に限られており、令和9年4月以降の実施方法は令和8年度末までに改めて示すとされています。

初期加算は「180日・同一事業所で1回」

生活介護・施設入所支援やグループホームでは、算定開始から180日以内の期間に初期の加算があります。Q&Aでは、利用者が実際に利用し、加算を算定できる日だけ請求できること、同一事業所では1人につき1度までで、退所後に再利用した場合も算定できないことが示されています。受け入れ直後の手厚い支援を評価するものなので、開始日と期間を請求担当と共有しておくことが大切です。

生活介護・施設入所支援で見落としやすい「基礎研修20%」の数え方

生活介護・施設入所支援では、改定前の基礎研修修了者の加配要件が廃止され、生活支援員に占める基礎研修修了者の割合が20%以上であることが要件になりました。グループホームの重度障害者支援加算にも、生活支援員の20%以上を基礎研修修了者等(行動援護従業者養成研修修了者などを含む)とする要件があり、実人数で数える点は同じです。以下は、Q&Aで生活介護について示された数え方です。

  • 前提として、常勤換算方法で、基準上の人員と人員配置体制加算で配置する人員を超える人員が配置されていること
  • 20%は常勤換算ではなく従業者の実人数で計算し、非常勤職員も人数に含める
  • Q&Aの例(生活介護)では、生活支援員12名なら12名×20%=2.4名となり、3名以上の受講が必要

また、基礎研修修了者が勤務していない日でも、実践研修修了者が作成した支援計画シート等に基づいて他の職員が個別支援を行えば算定できるとされています。ただし、基礎研修修了者が支援記録などを通じて経過を実践研修修了者に返す役割は変わりません。「研修を受けた人がいる」だけでなく、「計画→支援→記録→見直し」が回っていることが問われる加算だと考えてください。

受け入れ前に整える6つの順番

加算を「取れるか」から考えると、無理な受け入れにつながることがあります。先に支援の体制を作り、その結果として要件を満たす順番が安全です。

施設でできること

  1. 対象者の確認:受給者証で区分と行動関連項目の該当を確認し、不明点は市町村へ問い合わせる
  2. 研修の受講計画:実践研修修了者が在籍しているか、基礎研修の割合が足りるかを実人数で数え、足りなければ受講時期を決める(日程は都道府県等の案内で確認)
  3. 支援計画シートと記録の様式:誰が作り、誰が記録し、いつ見直すかを決める。職員ごとに対応がばらつかないよう、統一すべき支援と個別に判断する支援を分けておくと運用しやすくなります
  4. 届出と請求の確認:体制の届出の時期と、初期加算の開始日・期間を請求担当と共有する
  5. 身体拘束等の適正化:やむを得ず身体拘束等を行う場合の記録の手順と、委員会・指針・研修が整っているかを確認する(未実施の場合は減算の対象になります)
  6. 悪化したときの相談先:状態が悪化した場合には、広域的支援人材が事業所を訪問等して環境調整を進める「集中的支援加算」(3か月が限度)の仕組みがあります。地域の支援体制を、指定権者や市町村の障害福祉担当窓口で事前に確認しておきます

専門家に相談したほうがよいライン

  • 複数の加算(人員配置体制加算など)との関係で、配置の前提を満たしているか判断がつかない
  • 過去に算定していた利用者がいて、改定前後の初期加算の扱いが分からない
  • 受け入れ後に職員の負担が偏り、離職や事故のリスクが見えてきた

加算の要件の読み方や届出書類については、最終的には指定権者の確認が必要です。私たちは、算定漏れや要件の読み違いの点検と、支援の仕組みづくりを一緒に進めています。加算全体の見直しについては加算最適化のご支援のページもあわせてご覧ください。用語は用語集で確認できます。

まとめ:加算は「支援の仕組み」ができた結果として取る

令和6年度改定後の重度障害者支援加算は、研修修了者の人数をそろえるだけでなく、支援計画シートに基づく支援と記録、見直しの流れが回っていることが前提になっています。強度行動障害のある方は受け入れ先が限られやすく、体制を整えた事業所は地域で頼られる存在にもなり得ます。一方で、準備が不十分なまま受け入れると、本人にも職員にも負担が大きくなります。

Engoodは、自社で障害福祉施設を20年以上運営してきた当事者の目線で、横浜・神奈川を中心に全国の事業所の経営改善をご支援しています。初回のご相談・経営診断は無料で、しつこい営業はいたしません。「受け入れを検討しているが、要件と体制のどこから手を付ければよいか分からない」という段階からお気軽にご相談ください。なお、加算の算定可否や成果を保証するものではありません。

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」、「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.2」(令和6年4月5日)、厚生労働省ホームページ「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について」掲載の留意事項通知。本記事では、これらの内容を要約・編集して紹介しています(2026年9月時点)。

よくあるご質問

基礎研修修了者の「20%以上」は常勤換算で数えますか?
厚生労働省のQ&A(令和6年4月5日)の生活介護・施設入所支援の節では、常勤換算方法ではなく従業者の実人数で算出し、非常勤職員も人数に含めるとされています。生活介護の例として、生活支援員12名なら2.4名となり、3名以上の受講が必要と示されています。なお、前提として基準上の人員と人員配置体制加算で配置する人員を超える配置が必要です。最新の取扱いは指定権者にご確認ください。
中核的人材は常勤専従で配置しなければいけませんか?
Q&Aでは、常勤専従の職員として配置されることが望ましいものの、人材の確保が難しい場合は他の事業所との兼務や非常勤職員でも差し支えないとされています。ただし、原則として週1回以上、行動関連項目18点以上の利用者の様子を観察し、支援計画シート等の見直しに関する助言・指導を行う体制は必要です。
以前に加算を算定していた利用者が再び利用する場合、初期加算は算定できますか?
Q&Aでは、初期加算は同一事業所において1人につき1度までとされ、過去に重度障害者支援加算を算定して退所した方が再び同じ事業所を利用する場合も算定できないとされています。サービスごとの取扱いは告示・通知と指定権者の案内でご確認ください。
強度行動障害のある方の受け入れについて相談できますか?
はい。Engoodでは、加算要件の読み違いや算定漏れの点検、支援計画シートと記録の運用づくりなどをご支援しています。初回のご相談は無料です。届出書類の作成は行政書士等の業務のため、必要に応じて専門家へのご相談をご案内します。加算の算定可否や成果を保証するものではありません。
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