障がい者施設さま向け|経営の再生・改善を現場目線でまるごと支援 神奈川中心 × 全国対応|初回相談0円
改善事例

加算の算定漏れで年間約187万円を損していた法人の実例|棚卸しで見つかった5つの取りこぼし

——棚卸しで発見した5つの取りこぼし

問題発生——「うちは加算をひと通り取っています」

横浜市内にある生活介護事業所(定員28名)のA理事長から相談を受けたのは、年度末の収支が想定より大きく下回ったことがきっかけでした。

「職員も頑張っているし、利用者も安定して来ている。でも数字が良くならない。何が問題なのかわからない」——A理事長はそう話していました。

最初のヒアリングでは「加算はひと通り取っています」とおっしゃっていました。しかし念のため、国保連への請求データと運営基準を照合する「加算棚卸し」を実施したところ、算定できるはずの加算が5つ取れていないことが判明しました。

【A理事長の第一声】
「正直、こんなにあるとは思わなかった。加算のことは事務担当者に任せていたし、自分でも確認したことがなかった。知らなかったでは済まない話だとわかって、背筋が凍りました」

原因分析——なぜ取れていなかったのか

5つの加算が算定できていなかった理由は、それぞれ異なっていました。「怠慢」ではなく「情報格差」と「確認体制の不在」が根本原因でした。

①福祉専門職員配置等加算(I)

在籍する支援員の中に社会福祉士の資格保有者が2名いましたが、採用時の確認後に届出を失念していました。「資格があれば自動的に算定されるものだと思っていた」とのことでした。届出さえ出せば算定可能な状態でありながら、約2年間未算定のままでした。

②強度行動障害支援者養成研修加算

強度行動障害を有する利用者が3名在籍しており、支援員1名が基礎研修を修了していました。しかし「研修を受けただけで加算が取れるとは知らなかった」ため、届出が行われていませんでした。実践研修修了者がいれば上位の加算も算定可能でしたが、研修自体の存在も十分に周知されていませんでした。

③処遇改善加算(上位区分への移行)

処遇改善加算は算定していましたが、区分IIIのままでした。キャリアパス要件・職場環境等要件を確認したところ、書類を整備すれば区分Iへの移行が可能な状態でした。「上位区分があることは知っていたが、要件が複雑で手が出せなかった」というのが実態でした。

④送迎加算(片道分の算定漏れ)

送迎加算は算定していましたが、朝の送迎のみ算定し、夕方の帰宅送迎の算定が漏れていました。「片道しか取れないと思い込んでいた」ことが原因でした。算定基準の誤解による取りこぼしです。

⑤口腔衛生管理体制加算

歯科医師または歯科衛生士が、年2回以上の口腔衛生管理に係る技術的助言・指導を行っていれば算定できる加算ですが、近隣歯科医院との連携がなく未算定でした。「歯科との連携が必要とは知らなかった。そういう加算があることも知らなかった」とのことでした。

算定漏れが起きた根本原因の整理

  • ① 制度改定情報のキャッチアップ体制がなかった(担当者任せ)
  • ② 加算の全体像を把握している人間が法人内にいなかった
  • ③ 「今取っている加算が全てだ」という思い込みがあった
  • ④ 算定要件を確認する定期的な棚卸しの習慣がなかった

→ いずれも「知らなかった」「確認していなかった」が原因で、悪意は一切ありませんでした。逆に言えば、知識と確認体制があれば防げた損失です。

改善策——3か月で実施した5つのアクション

アクション①:社会福祉士2名の届出(即日対応)

在籍職員の資格を確認し、社会福祉士2名の配置届出を提出しました。翌月から福祉専門職員配置等加算(I)の算定を開始しています。「こんなに簡単に取れるとは思わなかった」とA理事長。届出書類の作成から提出まで、所要時間は約2時間でした。

アクション②:強度行動障害支援者養成研修の届出と追加受講

既修了者の届出を行い、加算の算定を開始。同時に、2名の職員を実践研修に申し込み、修了後に上位の加算への移行を計画しました。研修費用は都道府県の助成制度を活用し、法人負担を抑えています。

アクション③:処遇改善加算の区分引き上げ

キャリアパス要件の書類整備(任用条件・賃金体系の文書化)と職場環境等要件の取り組み公表を実施し、区分IIIから区分Iへの移行届出を行いました。書類整備に約3週間かかりましたが、「要件はほぼ満たしていた。文書化するだけでよかった」と事務担当者が振り返っています。

アクション④:送迎加算の算定方法の修正

算定基準を再確認し、翌月から正しい算定に修正しました。過去の算定漏れ分については、遡及の取扱いを所管の行政窓口・国保連に確認したうえで対応しました。

アクション⑤:近隣歯科医院との連携協定の締結

理事長の知人の歯科医師に相談し、年2回の口腔衛生管理に係る技術的助言・指導について協定を締結。口腔衛生管理体制加算の算定を開始しました。「断られるかと思っていたが、快く引き受けてもらえた。もっと早くやればよかった」とのことでした。

改善後の変化——6か月後の数字

加算名 改善前(月額) 改善後(月額) 年間増収額(試算)
福祉専門職員配置等加算(I) 未算定 約18,000円 約216,000円
強度行動障害支援者養成研修加算 未算定 約45,000円 約540,000円
処遇改善加算(区分III→I) 区分III算定中 差額約35,000円 約420,000円
送迎加算(算定方法の修正) 片道のみ 追加約22,000円 約264,000円
口腔衛生管理体制加算 未算定 約36,000円 約432,000円
合計 約1,872,000円(約187万円)

※ 上記は利用者数・地域区分・実際の算定状況により変動する試算であり、金額は概算です。同様の増収を保証するものではありません。加算の算定要件・単位数・区分、および過去分の遡及請求の可否は、サービス種別や自治体の運用・報酬改定により異なります。算定にあたっては、必ず最新の告示と所管の行政窓口でご確認ください。

コンサル費用を差し引いても、初年度からプラスとなりました。

【A理事長の言葉】
「これだけの損失が毎年続いていたと思うと悔しい。でも気づけてよかった。今後は年1回、欠かさず棚卸しをすることにしました」

まとめ——「取れていない加算」は、思っている以上に多い

A法人のケースは決して特殊ではありません。コンサルの現場で加算棚卸しを実施すると、多くの法人で何らかの算定漏れが見つかります。

理由は明快です。障害福祉サービスの加算は種類が多く、報酬改定のたびに新設・変更が繰り返されます。日常業務に追われる中で、すべての情報を追い続けることは容易ではありません。

しかし、加算の算定漏れは「知らなかった」では済まない経営上の損失です。年1回の棚卸しを仕組みとして取り入れるだけで、収支の見え方は変わります。「うちも算定漏れがあるかもしれない」と感じた方は、まず現在算定している加算の一覧を書き出すことから始めてみてください。

加算の取りこぼし・区分の見直しは 加算最適化支援、よくある算定漏れと対策は 加算の取りこぼしを防ぐには、処遇改善加算の上位区分への移行は 処遇改善加算を上位区分(加算I)に移行した法人がやった3つのこと もあわせてご覧ください。

なお、口腔衛生管理体制加算は歯科医師または歯科衛生士による技術的助言・指導が要件です。Engoodは代表が歯科医師でもあるため、口腔ケア・摂食嚥下障害支援とあわせた体制づくりもご相談いただけます。

加算の棚卸し・算定最適化・運営改善のご相談は、サービス内容もあわせて、お気軽にお問い合わせください。初回相談は無料で承っております。

Contact

障がい者施設の経営、
Engoodが再生まで伴走します。

「稼働率が上がらない」「赤字が続いている」「加算を取りこぼしている」——そんな施設さまへ。
初回のご相談・経営診断は無料です。現状の見える化から、わかりやすくご案内します。