ハローワークだけに頼っていた施設が採用チャネルを広げた実例|「待つ採用」から「出会いに行く採用」へ
——「待つ採用」から「出会いに行く採用」への転換
【エビデンスと予測の区別について】
・登場する人物・施設は架空です(実際のコンサル支援先を参考に加工)。
・各採用チャネルの特徴については、一般的な採用実務の知見を参考にしています。
・「チャネル多様化が採用につながる」という記述は本事例の観察に基づきます。
・費用・効果は施設の状況・地域・タイミングにより大きく異なります。
・筆者の経験・推測は「(筆者推測)」と本文中に明示します。
問題発生——「ハローワークに出しているが、1年で3件しか応募が来ない」
「ハローワークの求人は毎月更新しています。でも1年間で応募が3件しかなかった。採用できたのは1名だけで、その方も3か月で辞めてしまいました」——グループホーム(定員7名)と生活介護(定員20名)を運営するLLL法人の理事長・MMM氏の言葉です。
MMM理事長は採用について「ハローワークに出せばいい」という認識でした。「他にどんな方法があるのか、考えたことがなかった」と率直に話してくれました。
LLL法人の採用実績(改善前・直近1年)
- 求人媒体:ハローワークのみ
- 年間応募数:3件
- 採用数:1名(3か月後に退職)
- 現在の欠員:常勤2名・非常勤1名
- 採用にかけたコスト:ほぼ0円(ハローワークは無料)
【エビデンス注記】厚生労働省の労働力調査等によれば、就職者がハローワークを利用した割合は全体の一定数を占めますが、福祉・介護分野での採用状況に特化したデータは確認できていません。採用チャネルの有効性は地域・職種・求職者層によって異なります(筆者推測)。
採用チャネルの種類と特徴——「ハローワーク以外」を知る
採用がうまくいかないとき、多くの施設は「もっと頑張って求人票を書き直そう」と考えます。しかし、そもそも求人を見ている人が少なければ、いくら中身を磨いても応募は増えません。まずは「どこに求人を出すか(チャネル)」の選択肢を知ることが出発点です。
| チャネル | 特徴 | コスト目安 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ハローワーク | 公的機関。全国共通・無料 | ほぼ0円 | 予算が限られる・幅広い年齢層 |
| 求人サイト(Indeed等) | インターネット求人。無料掲載可・有料で露出増 | 無料〜月数万円 | スマートフォンで仕事を探す層 |
| 福祉・介護専門求人サイト | 福祉・介護職に特化した求人媒体 | 月数万円〜 | 福祉職経験者・有資格者を探す |
| SNS(Facebook・Instagram等) | 施設の日常を発信し知名度を上げる | ほぼ0円(時間コスト) | 地域密着・施設の雰囲気を伝えたい |
| 学校・養成校への訪問 | 福祉系専門学校・大学へのPR | ほぼ0円(時間コスト) | 新卒・第2新卒の採用 |
| 職員紹介(リファラル採用) | 現職員からの知人紹介 | 紹介謝礼のみ | 文化・雰囲気に合う人材 |
| 地域のコミュニティ・掲示板 | 公民館・スーパー等への掲示 | 印刷費のみ | 地域在住のパート・非常勤 |
※ 上記のコスト・特徴は一般的な目安です。各媒体の料金・仕様は変更される場合があります。最新情報は各媒体にご確認ください。
LLL法人が追加した3つのチャネル
チャネル①:Indeed(無料掲載)への同時掲載
ハローワークの求人票をもとに、Indeedに無料で求人を掲載しました。Indeedはスマートフォンからのアクセスが多く、ハローワークにアクセスしない求職者層にリーチできます(筆者推測:Indeedのユーザー層についての公式データはありますが、特定の地域・職種での有効性はケースバイケースです)。
「ハローワークと同じ内容を入力するだけで、求人を出せた。30分でできました」とMMM理事長。
チャネル②:地域の福祉系専門学校への訪問
法人の所在地から通学圏内にある福祉系専門学校を2校訪問し、「施設紹介資料」と「求人票」を持参して就職担当の教員に挨拶しました。「顔を見せることが大事」とアドバイスしたところ、MMM理事長は「こんなに歓迎してもらえるとは思わなかった」と話しました。
チャネル③:職員紹介(リファラル採用)の仕組みを作る
「知り合いで仕事を探している人がいたら紹介してほしい」と職員に伝え、紹介で採用が決まった場合に「紹介謝礼(3万円)」を設けました。
(職員へのお願い・MMM理事長)
MMM理事長:「今、人手が足りなくて困っています。みなさんのお知り合いで福祉の仕事に興味がある方がいたら、紹介していただけませんか」
職員・田中:「実は、大学の後輩が就職を探しているんですが……」
MMM理事長:「ぜひ! まず見学に来てもらうだけでも構いません」
(2週間後、田中さんの後輩が見学・面接を経て採用)
6か月後の採用実績
| チャネル | 6か月間の応募数 | 採用数 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| ハローワーク | 2件 | 0名 | 継続中 |
| Indeed(無料) | 5件 | 1名 | 20代・未経験 |
| 専門学校訪問 | 3件(卒業見込み) | 2名(内定) | 来春入職予定 |
| 職員紹介 | 2件 | 1名 | 田中職員の後輩 |
| 合計 | 12件 | 4名(+内定2名) |
※ 上記は参考値です。採用成果はチャネルの種類だけでなく、求人票の内容・面接の質・施設の条件等の複合的な要因によります。同様の成果を保証するものではありません。
【MMM理事長の6か月後の言葉】
「1年で1名しか採用できなかった法人が、半年で4名採用できました。やったことはシンプルで、Indeedに載せて・学校を訪問して・職員に声をかけただけ。でもそれだけで、全然違う結果になった。採用は『待つもの』だと思い込んでいたのが間違いでした。『出会いに行く』採用に切り替えてよかったです」
まとめ——採用チャネルは「重ねる」ほど出会いが増える
採用の成功率は、チャネルの数と質に比例する傾向があります(筆者推測:採用チャネル多様化の効果を直接示す障害福祉分野のデータは確認できていませんが、採用実務の一般的な知見と整合しています)。ハローワークを使い続けながら、Indeedへの無料掲載と職員への声かけを追加するだけで、出会いの機会は大きく増えます。まずは「追加コストゼロ」のチャネルから始めてみてください。
どのチャネルで来た応募者にも共通して効くのが「施設の魅力の見せ方」と「面接」です。施設の強みを見える化して応募を増やした実例は 「うちには来てくれない」と思っていた施設が採用できるようになった理由、採用後の早期離職を面接の見直しで防いだ実例は 採用面接を変えたら「すぐ辞める人」が来なくなった施設の工夫、採用力アップの全体像は 採用応募が3倍になった施設の工夫 もあわせてご覧ください。
採用チャネルの多様化・人材確保戦略のご相談は、職員の採用・定着支援やサービス内容もあわせて、お気軽にお問い合わせください。初回相談は無料で承っております。