採用応募が3倍になった施設の工夫|求人広告費を増やさず人が集まる施設づくり
「求人を出しても応募が来ない」「採用してもすぐ辞めてしまう」——障害福祉施設から最も多く寄せられる相談のひとつです。しかし、応募が少ない原因を『人手不足だから』と片づけてしまうと、改善は進みません。この記事では、求人広告費を増やさずに応募数を約3倍にした施設の取り組みをもとに、明日から実践できる採用力アップの工夫を紹介します。
応募が来ない「本当の原因」
ある生活介護事業所(定員20名)は、慢性的な人材不足に悩んでいました。求人広告を出しても応募は月1件程度。採用できても半年以内に退職する職員が続き、現場の負担が増していく——という状態でした。
そこで、応募者へのアンケートや面接辞退者への聞き取りを行ったところ、次のような声が多く聞かれました。
- 「施設の雰囲気が分からない」
- 「教育体制が見えない」
- 「働くイメージが湧かない」
つまり、応募が来ない原因は「給与が低いから」でも「人手不足だから」でもなく、求人票だけでは施設の魅力が求職者に伝わっていなかったことにありました。
求人広告費を増やさず応募を約3倍にした改善策
この施設が取り組んだのは、広告費を増やすことではなく、「施設の魅力を見える化する」5つの取り組みでした。
- ① ホームページを毎週更新し、職員インタビューを掲載
- ② SNSで日常の様子を発信
- ③ 施設見学をいつでも受け入れる体制を整備
- ④ 新人教育プログラムを公開
- ⑤ 学校・相談支援事業所・ハローワークへの定期訪問を開始
その結果、6か月後には応募件数が約3倍となり、見学後の応募率も向上しました。採用後1年以内の離職も減少し、職場全体に余裕が生まれています。
※ 上記はコンサル支援先の事例をもとにした参考値です。改善の程度は地域の求職者数・施設の条件・競合状況により異なり、同様の成果を保証するものではありません。
明日から実践できる5つのアドバイス
① 求人票ではなく「未来」を伝える
仕事内容だけでは応募者の心は動きません。「3か月後には先輩と一緒に担当利用者を支援」「研修制度があり専門性を高められる」など、入職後の成長イメージを具体的に示しましょう。
② ホームページを「採用サイト」に変える
応募者が見たいのは理念だけではありません。職員紹介、1日の流れ、休暇制度、研修風景など「働く姿」を写真とともに掲載することで、安心感が生まれます。
③ 見学を採用活動の中心にする
施設見学では、説明よりも対話を重視します。応募者の不安や希望を聞き、「この職場なら相談できそう」と思ってもらうことが大切です。
④ 全職員が「採用担当」という意識を持つ
受付や現場職員の挨拶、利用者への接し方など、応募者は施設全体を見ています。普段の職場の雰囲気そのものが採用力になります。
⑤ 数字で採用を管理する
応募数・見学数・面接率・採用率・3か月定着率を毎月確認しましょう。どこで離脱しているかが分かれば、改善策も明確になります。
採用力セルフチェックリスト
自施設の採用活動を、次の5項目で振り返ってみましょう。
- □ ホームページは3か月以内に更新している
- □ 職員インタビューを掲載している
- □ 見学を随時受け付けている
- □ 新人教育の流れを説明できる
- □ 採用データを毎月分析している
まとめ
採用活動は、広告を増やすことではなく、施設の魅力を見える化し、信頼を積み重ねることです。「ここで働きたい」と思ってもらえる情報発信と職場づくりを続ければ、応募者は着実に増えていきます。
この記事で紹介した考え方を、実際の施設が形にした事例もあわせてご覧ください。応募が集まらない段階で「施設の強みの見せ方」を変えた実例は 「うちには来てくれない」と思っていた施設が採用できるようになった理由、採用後の早期離職を面接の見直しで防いだ実例は 採用面接を変えたら「すぐ辞める人」が来なくなった施設の工夫、採用した職員が長く働ける環境づくりは 職員の離職・定着支援 をご覧ください。


