稼働率65%だった就労継続支援B型事業所が半年で95%になった5つの取り組み|地域連携と情報発信で「紹介される施設」へ
——利用者募集は「営業」ではなく「信頼づくり」で決まる
施設の状況——稼働率65%で赤字寸前
地方都市にある定員20名の就労継続支援B型事業所。稼働率は65%前後で推移し、経営は赤字寸前でした。
管理者は「地域に利用希望者が少ないから仕方がない」と考えていました。ところが近隣の同種施設を調べてみると、多くがほぼ定員を満たしていたのです。つまり「利用希望者がいない」のではなく、「利用希望者がこの施設に来ていない」——それが本当の問題でした。
原因分析——「知られていない」施設だった
状況を調査すると、次のことが分かりました。
- 病院・相談支援専門員・行政との接点が少なく、紹介につながる関係ができていなかった
- ホームページが長く更新されておらず、施設の「今」が伝わらなかった
- 利用者や家族の声を発信しておらず、どんな支援をする施設なのかが外から見えなかった
B型事業所の利用者は、多くが相談支援専門員や医療機関からの紹介で決まります。その紹介ルートに施設の情報が届いておらず、地域から施設の特徴が伝わっていなかったのです。「営業が足りない」のではなく、「信頼を積み重ねる情報発信と関係づくり」が不足している状態でした。
実施した5つの改善策
① 相談支援事業所への定期訪問
地域の相談支援事業所を定期的に訪問し、「どんな方に向いているか」「どんな作業・支援があるか」「受け入れ枠の状況」を具体的に伝えるようにしました。一度きりの挨拶ではなく、定期的に顔を出して情報を届けることで、「紹介したいときに思い出してもらえる施設」を目指しました。
② 病院・地域包括支援センターとの情報交換
相談支援事業所だけでなく、地域の病院(精神科・リハビリ科等)や地域包括支援センターとも情報交換の機会を持ちました。退院後の受け皿を探している医療機関にとって、受け入れ体制のわかる施設は紹介しやすい存在になります。
③ ホームページで毎週、事例紹介を発信
更新が止まっていたホームページで、毎週「利用者さんの活動の様子」「作業の紹介」「イベントの報告」などを発信しました。宣伝ではなく「日常を見せる」ことで、見学前の本人・家族・紹介者が施設の雰囲気をイメージできるようにしました。
④ 利用者・家族アンケートを改善に反映
利用者・家族へのアンケートを実施し、要望や不満を支援の改善に反映しました。既存利用者の満足度が上がると、口コミや紹介につながりやすくなります。「今いる利用者に満足してもらうこと」が、新規利用者の獲得の土台になるという考え方です。
⑤ 体験利用プログラムの充実
見学だけで終わらせず、実際の作業や雰囲気を体験してもらう体験利用プログラムを整えました。「ここなら通えそう」と本人が感じられる機会をつくることで、体験から契約につながる割合を高めました。
改善結果——半年後の変化
| 指標 | 改善前 | 半年後 |
|---|---|---|
| 稼働率 | 65%前後 | 95% |
| 問い合わせ件数 | 基準 | 約3倍 |
| 体験利用から契約につながる割合 | 低い状態 | 上昇 |
| 経営状況 | 赤字寸前 | 安定 |
| 相談支援・医療との関係 | 接点が少ない | 定期的な情報交換 |
| ホームページ | 更新が止まっていた | 毎週更新(事例発信) |
| 職員のモチベーション | — | 高まった |
※ 上記はコンサル支援先の事例をもとにした参考値です。改善の程度は地域の状況・施設の条件・競合環境により異なり、同様の成果を保証するものではありません。
すぐに実践できるチェックリスト
- □ ホームページを毎週更新している
- □ 相談支援専門員を定期訪問している
- □ 利用者満足度を把握している
- □ 地域との交流機会がある
- □ 施設の強みを明確に説明できる
まとめ——「知ってもらう努力」を続けることが第一歩
利用者募集は、広告費だけでは解決しません。地域から「紹介したい施設」と思われる関係づくりが重要です。ホームページやSNSは営業ツールではなく、信頼を積み重ねるための情報発信と考えることが、遠回りのようで近道になります。
稼働率の改善は偶然ではありません。地域との信頼関係を育て、施設の魅力を継続的に発信することで、紹介は少しずつ増えていきます。経営改善の第一歩は、「知ってもらう努力」を続けることです。
就労継続支援B型の利用者確保・稼働率改善を体系的にまとめたご案内は 就労継続支援B型の利用者確保・稼働率改善支援、原因と対策の解説は 就労継続支援B型の稼働率を上げるには|利用者が集まらない原因と対策、相談支援事業所との連携で紹介を増やした事例は 相談支援事業所との連携で利用者紹介が倍増 もあわせてご覧ください。
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